こちらは『卓球レディース』編集長の西村が、NOルールで綴る馬鹿馬鹿しい卓球日記です。今回は子供を卓球教室に通わせる親の心境について。今年の全日本選手権ジュニアの試合には男女ともドラマがありましたねー!

たいへんご挨拶が遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新年早々、副鼻腔炎の卓球レディースでございます。デフォルトの鼻声に磨きがかかり、今ならモノマネ芸人みかんの十八番である浜崎あゆみの声マネができるんじゃないかと「くっちゃらはぴはぴ」つぶやいております。

そんな七転び八起きの精神で今年も頑張って卓球レディースを運営していく所存なのですが、運営が忙しいと卓球の練習をする時間がなくなります。本末転倒ったらありゃしない。なんも考えずに週6で卓球教室に通っている小学生の我が子がうらやましい。その時間とお金があれば、私だって上達できる。その自信は十分にあります。ゆえに子供の卓球に対する目が厳しくなり、大事な場面で子供がサーブミスをするたびに奥歯を噛みしめるクセがつきました。ここ数年で猿人並みの咬合力がついたんじゃないかな。

そんな私の姿を見て鬼軍曹と呼んだ卓球仲間もいますが、ここ最近は仏になりました。子供も今年は高学年なもんで、口答えもするし、ベンチに入ると嫌がるし、ラバーの替え時を自己申告するし、立派な大人扱いをする必要があるかなと。

子供の習い事から手を放すときがやってきたかーと思うと、なんだか切ないですね。これまで何千回卓球場に送迎、何万個球拾い、何百回サーブ練強要したことでしょう。

子供は好きで卓球をしているのか? それとも私にやらされているのか? 塾やピアノ、その他の習い事をさせなくて大丈夫か? 寝る前にそんな自問自答を繰り返し、朝起きれば卓球場で子供が食べるお弁当を作る。

そんな日々のヘビーローテーションで小学校からの数年はあっという間に過ぎてしまいました。

親の醍醐味・試合観戦では、試合会場2階席の手すりから身を乗り出し、今は声を出しての応援ができないから、手が真っ赤に腫れるくらいの拍手。子供の一本に一喜一憂し、ミスをしても大丈夫と子供に言い聞かせるフリをして自分を落ち着かせる。ひと試合観終わると、丸一日動けなくなるほどの疲労感。でも観たい、だけど怖い、そして緊張する。自分が試合する方が肉体的にも精神的にもマシ。子供が負けるたびに「もう試合は観に行かない」と誓うのに、無観客試合を憂う。「あのお母さんは応援必死」と冷めた目で見られても、二度と取り戻せない理性。会場入りすると、human beingとは似て非なる生態を持つ卓球母が降臨するから仕方がないですね。だけど子供に卓球をやらせている世のお母さんは、私と同じような言動&行動をとってるんじゃないかな? だって試合会場で私の卓球母姿は全然浮かないもの。So,natural.

今日は全日本卓球選手権大会でジュニアの準決勝&決勝が開催されました。松島君VS吉山君のライバル対決や小塩家の姉妹対決など、ドラマのある試合ばかりで観ているこちらはたいへんおもしろかった。だけど、親御さんは数十分の試合の中でどんな喜怒哀楽が浮かんでは消えたことかとお察しします。この決勝の舞台に上がるまで、何千回試合会場に送迎、何万個球拾い、何億回拍手されたことか。

子供たちの檜舞台の裏には、腰を45度に曲げて球を拾う親の姿があることをDon’t forget!