こちらは『卓球レディース』編集長の西村が、NOルールで綴る馬鹿馬鹿しい卓球日記です東京オリンピックで卓球女子団体銀メダル獲得おめでとうございます! 日本女子のレベルは上がるよどこまでも!

東京オリンピックの卓球女子団体戦。石川選手、伊藤選手、平野選手、銀メダル獲得おめでとうございます! 1回戦から3-0のストレート勝ちで決勝まで上り詰める。圧倒的な強さに感心&全身全霊のプレーに感動。8/2~5までの4日間は一日一日が特別なものになりました。朝起きるのが待ち遠しい。こんなウキウキワクワク感、結婚式の前日以来です。石川選手のエッジを切るサウスポードライブ、伊藤選手の回転が読めない逆チキータ、平野選手の高速バックドライブ。今回のオリンピックでは各選手の代名詞的なプレーが生き生きと新鮮に目に映りました。なぜなら久々に観る国際試合だったから。

例年なら定期的に開催されるITTF 主催の試合を観戦し、強豪国の選手の仕上がりをチェック。世界ランキングも参考になりました。今回は日本選手と他国の選手の力量を測る期間が抜けていたので「対戦したらどうなるんだろう?」とお節介にもハラハラしておりました。選手は不安だったと思います。

ところが、フタを開けてビックリ仰天。三人の仕上がりが半端ない!!! 石川選手はバックもフォアもドライブが強化されていた。石川選手のフォームはいつ見てもお手本みたいと思っていた私は「えっ、まだ改善するところがあったの?」と驚きました。伊藤選手はバックミートも逆チキータも強気のメンタルも……全部バージョンアップ。女王の風格も漂っていました。そして、平野選手のハリケーンも猛威をふるっていましたね。フォアクロスからバッククロスへ、バッテンを描く高速のコンビネーション。4年前のアジアカップが脳裏に浮かびました。ここ数年で現代卓球は速度が上がっているのに、待ち構えてさらなるスピードで返せるなんて!!! ニンテンドウ64で初めて3Dゲームをした時以来の進化の衝撃を受けました。

残念ながら決勝での中国戦は0-3のストレート負け。金メダルを目標に頑張ってきた三人は悔しい気持ちでいっぱいだったと思います。結果は2位ですが、前回のリオ大会では銅メダル獲得でうれし涙、5年後の東京大会では銀メダル獲得でくやし涙。メダルの色も涙の意味も違う。それだけ日本女子のレベルが上がっているということですよね。三選手だけじゃない、今回代表に選ばれなかった選手もレベルが上がっている。もちろんその下、中高大の卓球部で頑張る学生選手、卓球教室で全日本のホカバを目指す小学生、街の公民館で練習に励んでいるレディースに至るまで。日本の卓球女子みんなのレベルが底上げされている。今大会でそれが証明されたと言わせてください。だって、こんなにレベルの高い決勝戦、今まで見たことがありますか? 一発で抜けるような球をどちらも返す返す返す返す返す返す……。

中国選手の方が1球多かった。もちろん一本差=実力差ですが、今回は国際大会がほとんど開催されなかったぶん、選手は自分との戦いだったと思います。日本代表選手は己との戦いに勝った。過去の自分に圧倒的な力で勝った。だからあの異次元のラリー戦が成立したのです。私は目撃者の一人として胸を張って言いたい。卓球をやったことがない近所の子供に、卓球に興味がない近所のおばちゃんに、卓球を知らない近所の野良猫に「日本の卓球女子、レベル高いでー」と。もちろん、私は含みませんが……。