こちらは『卓球レディース』編集長の西村が、NOルールで綴る馬鹿馬鹿しい卓球日記です。東京五輪あけ、卓球メディアに起こった変化をゆるく語らせてください!

東京オリンピックが終わってひと月ほどたちました。ある世論調査によると、五輪で一番印象に残った競技は卓球だそうです。「ありえねぇだろ~」。以下、五輪の新種目・混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷隼選手のつぶやきを引用させていただきます。「卓球は根暗」と言われた時代に青春を過ごした自分としては、卓球ブームが迫っている現状が信じられません。パラレルワールドに迷い込んだような心境です。

本屋へ行くと、じゅんみまが表紙を飾る雑誌がズラリ。「ありえねぇだろ~!」。卓球場へ行くと、読者モデルのようなカップルが卓球デートしている。「ありえねぇだろ~!!」。そして、取材の申し込みで「卓球レディースです」と電話で名乗ると「卓球、人気ですよね~」とウェルカムモード。「ありえねぇだろ~!!!」。

もしかして、地球上に並ぶ卓球のオセロが黒(陰)から白(陽)へひっくり返りましたか。

今まで自己紹介で「卓球レディースの~」と名乗ると、「えっ、阪急レディース?」「探求レディース?」と100%聞き返されていた。なのにですよ、五輪があけると一般ピーポーは「takkyu」という発音が「卓球」と正確に聞き取れるようになった。いきなり脳内辞書登録されると、こそばゆいものですね。

まぁ、取材がやりやすいという点はメディアにとって好都合です。名前はカッコいいけど名乗るには勇気がいる、そんな媒体は山ほどありますから。例えば男性誌「週刊プレイボーイ」。自分が男性ライターだったら、初めて電話をかける相手に「プレイボーイの西村と申します」は言いづらい。ここはイタリアではなく日本ですから。自分だったら「プレイボーイ」のところでゴニョゴニョと言葉を濁して、「はーっ?」と聞き返されるのがオチ。こんな弱気ではプレイボーイの名が廃りますね。

ほかにも昔は「グラマラス」「きれいになりたい」なんて雑誌がありました。「きれいになりたい西村です」。。。人の多い場所で電話を取ることが億劫になりますね。主婦となった今は「すてきな奥さん」が名乗りづらいでしょうか。「すてきな奥さんの西村です」。カラオケの個室でアポ入れをしたくなりますね。東京五輪で日本代表選手が活躍してくださったおかげで、こんなヘタレな私でも「卓球レディース」と胸を張って名乗れるようになった。本当にありがたい。選手の方々に感謝。