こちらは『卓球レディース』編集長の西村が、NOルールで綴る馬鹿馬鹿しい卓球日記です。今回は初のTリーグ観戦記。目線はあくまで中年の中級者。

成人式に勝るとも劣らない華やかさ

2022年1月8日(土)、年明け早々に卓球のTリーグを観にいってきました。日本ペイントマレッツ×トップおとめピンポンズ名古屋。大阪の守口市民体育館で開かれました。プロの女子選手が集う空間は賑やかで華やか。

翌々日は成人式。遠目で見たらマレッツのユニフォームは振袖の古典の色合いに似ています。伝統色×スプラトゥーン柄が斬新でした。対するトップ名古屋のユニフォームもキュート。夜空色にシューティングスターがちりばめられています。選手の動きが速すぎて、流れ星が消える前にお願いごとはできませんでした。

2番 鈴木李茄 0-3 加藤美優

この試合で私が見たかったのはカトミユのしゃがみこみサービス。最近の子供は最初にしゃがみこみを教わる。カトミユに憧れてマネをする子もいるんですよね。ならば加藤流家元のしゃがみはいかにと、今か今かと待ちわびておりました。試合中盤、ついにカトミユがラケットを振り上げた。「出た! WAO!」と心の中で拍手しましたが、次の瞬間、ラケットにコツンと当たる音がしました。

「この空気を含んだ音、そしてラケットの角度、もしかして……」。そう、これはPTA卓球レディースの十八番・ふんわりナックルサービス。プロの選手がこんな大舞台でまさか????? と心がザワつきましたが、鈴木選手のラケットに当たった瞬間ボトッと落ちました。超下。そりゃそうだ。閉店ガラガラ。

3番 大川真実 1-3 大藤沙月

この試合で私が驚いたのは恐るべきアフレコ現象です。両選手の意地のぶつかり合いとなった激しいドライブ合戦。「カキーン、カキーン、カキーン!!!」と鋭い打球音が会場に響きわたります。「さすが! プロの選手は打球音が違う」と感心していたら無音だったのです。大川選手&大藤選手のドライブは静。ラケットに接しているだけで当たっていない!!! 

じゃあ、この音の正体は一体何なの? と会場の奥を見ると、他の選手が直前練習をしていました。その音が天井に響いてこちらに伝わって来ただけです。シジューをこえると音の前後も聞き分けられない。アラサーのみなさん、気をつけなはれや!

4番 安藤みなみ 3-2 小塩遥菜

この試合で私が感動したのは小塩選手のドライブ。台ひとつ分くらい離れたところからカットではなく飛距離のあるドライブを放ちます。それもループではありません。いい感じに低く鋭く伸びて台の上に落ちる。それはまるで「シュイーン」と糸を出すスパイダーマンのよう、「シュイーン」と舌で獲物をとらえるカメレオンのよう、「シュイーン」と神スイングをみせた稲村亜美の始球式のよう!!!!! 

後ろに座っていたおっちゃんが「アレ出したら終わりや!」と小塩選手がドライブする直前に必ず予告。映画館でも先の展開をしゃべりたくなるおっちゃんと遭遇しますが、大きな声でプレーのネタバレはやめましょう!

試合が終わると、選手やチームのマスコットが小さな子に「おいでおいで」をして一緒に記念撮影をしていました。うらやましいなぁ~。20代の頃、「外見じゃなくて中身をわかってくれる人がソウルメイトだと思うんだよね~」なんて外見も中身も0点なのにほざいておりましたが、選手の皆さん気づいてください。ここに外見はおばちゃん、中身は子供がおりますよ。記念撮影ウェルカムです!