こちらは『卓球レディース』編集長の西村が、NOルールで綴る馬鹿馬鹿しい卓球日記です。今回は学生時代に着ていたユニフォームについて、昔の短パンはファスナー式だった。

卓球のユニフォームはデザインが豊富になりました。Tシャツやワンピースといった新タイプも登場して、一気にカジュアル度がUP。うらやましい限りです。

私が高校生だった90年代、卓球のウエアといえば上はポロシャツ、下はファスナーとボタンホック付きの短パンでした。(ポロシャツはわかるとしても、短パンは想像がつかないかな、今の若い子には……。無難なゴルフウエアでまとめがちな数学教師のスラックスを短くしたようなデザインなんだけど)。

おまけにその短パンは、ビジネスシーンではいても失礼にあたらないタック付き。ビジネスホテルに置いてあるズボンプレッサーを欲するほど、少しクラス感のある上質なポリエステル素材で作られていました。こういうところに紳士のスポーツであるTable tennisのアッパーな雰囲気がでちゃってたんですかね。

いじった物言いをお許しください。なんせ当時の私はこの短パンの扱いに少々苦労していたもので。体が著しく大きく発展するJKにボタンホック付きのボトムスは理に適わない。育ち盛りの少年少女には共感してもらえるでしょう。何度、このホックを腹圧で吹っ飛ばしそうになったことか。

お母さんに新しいウエアをおねだりすると、「お腹を凹ませればいいじゃない?」と名回答。「なるほど!」ってなるワケないだろ。息を吸い続けたまま卓球ができますか? ご飯を減らしてフットワークのスタミナがもちますか? そもそも卓球は腹が凹むスポーツですか?????

短パンの上に三段腹をのせて悩んでいたら、OGの先輩が当時出始めたばっかりのスコートのお下がりをくださいました。それも短パンと同じ上質素材のファスナー&ホック仕様でしたが、先輩は私よりも体がひと回り大きかったので、これ幸いと履かせていただきました。ところがそれも時間の問題。女子高生の成長曲線は直線となってまっすぐ上昇し、引退まで履けるかどうかというところまで追い詰められました。

その時、私は天を仰いで同じ悩みを持つキャプテンのNちゃんと叫びました。

「来たれ! ウエストが総ゴムの時代!!!」

20年後の未来。

いま、みなさんがサイズを気にすることなく、デザインでユニフォームを選ぶことができるのは、あの時、わたしたちが天に祈りを捧げた恩恵です。陰ながら卓球界に貢献した事例。己の未来を救った10代のピュアな願掛け。

なぜって、成長期を過ぎてもいまだ直線的に成長を続ける私の腹囲。中年のいま、卓球のボトムスがファスナー&ホック主流だったら卓球再開してないかもね。多分。