7月29日に山口市の体育館と湯田温泉の老舗旅館で、「湯田温泉スリッパ卓球大会」が4年ぶりに開催された。山口市出身である石川佳純選手がロンドンオリンピックに出場した2012年、彼女の活躍を期待して企画されたのがはじまり。コロナ禍からの回復期となるとなる今年は、東京や大阪からの出場者に加え、外国人観光客も参戦した。

「スリッパ卓球はコツが必要。卓球が上手いだけでは勝てないところがおもしろい」と語る事務局の香原さん。エンジョイの部(初心者)、キャリアの部(経験者)、それぞれのクラスを制した優勝者は、スリッパ卓球のみを専門とする卓人だとか。香原さんに「優勝者は必ずしも卓球が上手いわけではない」と残念な言われようだったが、参加者456人の頂点に立ったのだからスリッパ卓球界の樊振東といっても過言ではないだろう。

決勝戦では温泉旅館の浴衣をユニフォーム代わりにして戦う姿が印象に残ったが、そのほかの参加者の衣装にもみどころがあった。祭りのはっぴや自作の着ぐるみなど、コスプレを楽しむ人が多く、個性的な衣装の華やかさも同大会の魅力となっている。