卓球Life supporter・おかぴーさんの個人レッスンを受けてきました。力みのない自然なフォームが身に付く目から鱗のレッスンとは? 人生100年時代を生きるヤングシニア必読です!
卓球の指導とボディケアがセットになった前代未聞のレッスンとは?
全日本マスターズで2度の優勝経験を持つ岡野康幸選手こと、おかぴーさんの個人レッスンを受けてみました。数少ないペンホルダーの選手に、同じくペンを扱う自分としては小技を教わりたかったのです。自分の目的が明確だからこそ、レッスン告知のチラシに一抹の不安を覚えました。見出しに「特別レッスン、ボディケア開催」と書かれていたからです。「ボディケア開催って……」限られたレッスン時間にボディケアの時間を一秒たりともとられたくない私は、元気溌剌・無病息災・家内安全のオーラを出してコートに向かいました。ところが、出会うと挨拶もそこそこにイスに座らされてボディチェック。「(身体の)どこか気になるところはありませんか?」というおかぴーさんの質問に対し、私は「自分の体は生理的に正常です」とキッパリ。にもかかわらず、右腕が肩より上がらなかったのは正直ハズかったな~。
照れる間もなく施術が始まると、あれ、右腕が軽くなったような……。その状態でレッスンに入ると、ボールも楽に打ち返せました。ボディケアと聞いて、腕を引っ張ったり、曲げたりといった大きなアクションの施術を想像していましたが、ソフトタッチ&ワンアクションといったところも驚きです。この先、衰えることしかない自分の身体が少しでも上向きになると単純に嬉しい。だけど、ちょっと待った。意図が違う。私も含め、レッスンを希望される方の目的は卓球の上達ですよね? ボディケアからレッスンがスタートするのは、なぜなのでしょうか?
身体に負担のかからないフォームを身に着けてもらいたいからです。初めに身体を整えて卓球の練習。自然な動作であれば練習後も身体は整ったままですが、多くの方は元の壊れた体勢に戻ります。これでは長く卓球を楽しめないですよね。無理のない打ち方を指導して練習の終わりに再度ボディチェックとケア。これを繰り返すうちにケガをしにくい自然なフォームが身につき、卓球も上達します。
「ケガをしにくい自然なフォームが身につく」とは魅力的ですね。若い子にはわからないかもしれませんが、シジューをこえると、やれることに限界がある。チキータをマスターしたくても、手首を痛めるのが怖くて練習する勇気が出ない。なんてこともレディース世代にはあるあるですから。そういった中高年の悩みに寄り添って上達する術を考えてくださったのならありがたい。
レッスンコーチを始めた時は、卓球を教えるだけでした。動画も技術に限定していましたが、実際に現場へ行くと、卓球でケガをされてお困りの方が多かった。その原因は力み。無理な体勢で余計な力を加えて打つ。それが習慣になると身体が壊れます。力みを取り除いて、長く卓球を続けられる身体に修正してあげたい。それができるのは卓球と施術の両方を知っている自分ではないかと。卓球Life Supporterと名乗る理由もそこにあります。トップ選手はトレーナーが側にいて、常にベストな状態で練習ができるから伸びていく。一般の方でも整った身体を手に入れれば、この先もうまくなります。
自然なフォームを生み出す中国の体操
そう言えば、ペンの裏面打法をやりだしてから腕の痛みがとれない。これはきっと無理な打ち方と力みによるものでしょうね。コーチからも「力を入れるのはインパクトの瞬間だけ」とよく注意されますが、これが初中級者には結構難しい。身体を緩めるとふにゃっとなって打ち方が定まらない。おかぴーさんに話すと、初耳の練習法を教えてくださいました。
中国に「スワイショウ」という体操があります。名前は難しいですが、手を放り投げるように動かすだけ。ラケットのふりが自然に出てきます。そこに後押しする形で力を加える。自然なフォームだからケガもしにくくなります。クセが残っても心配はいりません。人はそれぞれクセがあって当たり前。「絶対にこうしろ!」とフォームを強制すると緊張が生まれます。身体だけでなく心も。不安になり自信がなくなるので、良い結果が出せなくなります。リラックスして自然体で卓球をする方がメンタルにも良いですし、長く続けられますよ。
スワイショウを教わった私は、自然な動きに身を任せ、力を抜いてラケットをふりました。ふわ~ふわ~と。身体が心地よいリズムで揺れ出すと、だんだんと睡魔が襲ってきました。「眠い!!!」夢→現→幻の辺りをサイドステップで移動していると、自分のフォームが改善していることに気づいて目が覚めました。力みのないスイングだけど、良いタイミングで力が入るのです。「インパクトの瞬間だけ力を入れる」。その感覚をつかみました。すべての技術に必要なセンス。なんだか飛躍的にレベルアップしたような気が……。
トップ選手は大事な試合で最大限の能力が発揮できるよう、トレーナーが帯同して身体を調整します。一般の方はなかなかできないことですよね。趣味で卓球をされている方もボディケアで身体が動くようになったら、発揮できる能力が上がるかもしれない。その状態で練習できたらパフォーマンスは確実に変わります。そのサポートを目指したいですね。
チキータレシーブなど、当初の目的通りバックハンドの小技を教えてもらってレッスン終了。ボディチェックをしてもらうと、初めは調子がよかったのに、また右腕が上がらなくなっている(泣)。おかぴーさんいわく、まだフォームに力みがあるとのこと。再び施術をしてくださいました。
レッスン後のボディチェックで自然なフォームが身についているかを確認。身体が壊れていたら施術。これを繰り返すうちに、自然なフォームが身に付き、卓球が長く続けられるというのも納得です。おかぴーさんと出会って4ヵ月。サブキャッチの「卓球Life Supporter」の意味がわかって目から鱗でした。
卓球Life supporter おかぴー
卓球YouTuber。技術&試合動画は400本以上、総視聴回数は1,451,000回を超える。p4matchの運営や、個人指導、講習会の開催(年10回以上)など卓球に携わる活動は多岐にわたる。全日本卓球選手権マスターズの部30、40代優勝者。
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