こちらは『卓球レディース』編集長の西村が、NOルールで綴る馬鹿馬鹿しい卓球日記です。10月31日、大阪・堺筋本町にあるコワーキング施設・The DECKで開かれた卓球ハロウィーンパーティーに参加。そこには、ひと味違うラケットが揃っていました。

日本VSヨーロッパのフリーランス対決はいかに?

10月31日の夜、私は大阪・堺筋本町にあるコワーキング施設「The DECK」のハロウィーン交流会に子連れで参加しました。

昭和生まれの私にとって、年中行事で一番バカ騒ぎするのはお正月。いつ日本へ伝来したかも不明なハロウィーンは、どう祝っていいか、どう盛り上げていいか正解がわからない。子供に「うちはハロウィーンパーティーしないの?」と聞かれても、鏡餅代わりにミニかぼちゃを奉ることしかできませんでした。

そんな私たち親子にとってはたいへんありがたいお誘い。The DECKを利用する海外のフリーランスの方々も10名近く参加すると聞き、本場のハロウィーンとやらを学ばせてもらおうと、100均で買ったマントをなびかせて会場へ向かいました。

施設の中に入ると、なんとフロアの中央にはドーンと卓球台が!!! 普段は仕事机として利用されている台が今宵は本来の役割を果たしていたのです。

That‘s Halloween!!!

卓球台の上には、施設にある物作りスペースで作られたオリジナルラケットがずらり。ダンボールやアクリルなど、どれも卓人の私には発想のない素材ばかり。レーザーカッターで切り抜いたという愛らしいおばけ形のラケットが目を引きましたが、「キャー、かわいい」と手をたたきつつも、負けず嫌いな私はそれを選びませんでした。ラケットの中心がおばけの口。その穴からボールが抜けていくところを想像できたから。その中にある一番ラケットに近い物、ゴムに卓球レディースのロゴを入れてくださった展示用のラケットを使って交流ピンポンに挑むことにしました。

↑ラケットの芯の部分が穴のかぼちゃラケット。使うのはもはや罰ゲーム

卓球初心者であろう外国人ゲストがおばけ形のラケットを手にし、経験者の私がまともなラケットを握りラリーする光景は、ハリウッド映画によく見るジョディ・フォスターとタチの悪い日本人との絡みにも映りますが、この無礼講もHalloween???

その後、からくりに気づいた外国の方に「HeyHey」と苦笑いしながらアクリルのラケットを渡されると、私の実力は皆さんとイーブンに。用具がおばけに化けると誰もが初心者に化けるのですね。滑りまくりのアクリルおばけラケットに悪戦苦闘しました。が、ここからが感覚のスポーツ・卓球のいいところ。やってるうちにどんどん慣れてくる。スマッシュも入るようになったのです。私の腕もあるのでしょうか。さすがTable Tennis Ladies!

ところが、「Nice ball!」と英語も口から滑るようになったころ、私だけでなく参加者全員が穴の開いた滑る用具を使いこなせていることに気づきました。特に外国の方同士のラリーは続く続く、まるでディアスとアポロニアVSスッチとボルの試合を観ているような迫力。

Tha‘s Halloween???

たった数時間で卓球をマスターする外国の方々の身体能力とセンスたるや。私がこれまで卓球に費やしてきた幾星霜はなんだったのでしょうか? 本物のラケットを使ったら数時間でカルデラノに化けるんだろうなと思うと、うらやましくて泣けてきます。ラケットを放り投げたい気分になりましたが、テーブルの上に供されたスタッフ手作りの食事が心を癒やしてくれました。特にピン球に見立てた肉巻きはおいしかった。このこだわりもHalloween?

↑ご飯を丸めて豚肉でくるんだ肉ボールはたこ焼き器で作られていました。

そして楽しい時はあっという間に過ぎましたが、2時間のパーティー中、人見知りの私は「Nice ball」以外、外国の方々に話しかける勇気は出ませんでした。やっぱりか。こんなシャイなおばんちゃんとダブルスを組んでくれたベネズエラ出身のアルマンド。彼には感謝したなきゃバチが当たりますね。アクリルおばけで鋭い横下回転サーブを繰り出していた彼は、絶対元卓球部だと思いますが。違いますか?

ここ一番で子供相手にサイドを切るサーブを出す彼から、勝ちたい欲がビンビンと伝わってきましたもの。それを笑いながらふんわり横入れしていた金髪の彼女にも度肝を抜かれましたが。交流のお遊び卓球だけど、実はみんな本気だったんじゃないの??? 仕事も遊びも全力勝負。それが本場のハロウィーンであることを学ばせてもらいました。

そして帰り道、子供が「来年は自分のラケットを持っていく!」ときっぱり。我々はハロウィーンでもクリスマスでもお正月でもなんでも、卓球ができれば大満足な卓球バカ親子みたいですね。よーし、2025年のハロウィーン待ってろよ🏓

↑ダブルスを組んでくれたアルマンド。アクリルラケットで器用にバックサーブを繰り出していた。