天下無敵の卓球レディースは暴走族のレディースと同類項。あたいらも煮えたぎるような熱いハートを持って戦ってるんだ。気合入ってないヤツらにはワンパンスマッシュお見舞いするぜ。そこんとこ夜露死苦な。ブンブン。

7年の結婚生活は卓球と共にある

勝ちにこだわって何が悪いんだよ。

みんな試合に勝つために練習してるんだろう。昨年、試合に出た数は175回さ。どうだい、上等だろう? 一カ月の半分は会場で喧嘩卓球にあけくれてるんだ。卓球は練習が専門の旦那に「頭おかしいんとちゃうか」と言われても、あたいは試合に出て、出て、出まくって、勝ち星をあげていく。そんな気合の入ったプッツンレディースさ。

旦那だって文句言いながらも、あたいの競技生活をしっかりとサポートしてくれてる。ノロケじゃないけど、毎日、あたいのためにお弁当を作ってくれるんだ。つくりおきの副菜を数種類並べて、好物の鮭のバター焼きなんかも入れて、幕の内みたいに彩り豊かに仕上げてくれる。その勝ち飯を見た周りのレディースたちから「いい旦那さんね」と垂涎ものでうらやましがられるんだけど、当り前だろう。魚はさばくところから、仕込みは1週間前から、冷凍食品で弁当箱の隙間を埋めるなんてセコいことはしない野郎なんだから。元料理人の腕はなまっちゃいないよ。

そもそも、あたいたち夫婦の卓球ライフは結婚式の2カ月前からはじまった。結婚式の準備でバタバタしちゃってさ。息抜きに近くのゲーセンで卓球やったら、思いのほか楽しかったんだよ。そこから「ラリーが続くようになったらいいな」なんて軽い気持ちで卓球場に通うようになったら、ふたりともドハマりしてさ。今年で結婚生活7年目になるんだけど、その間の週末は二人で卓球の練習しかやってないんだ。共通の話題も卓球。共通の友達も卓人。卓球と出会えてマジでよかった。そうじゃなきゃ、今ごろ「休みの日に何しよ~」なんて頭を抱えていたところだよ。

そんな卓球尽くしの毎日だからさ、卓球への課金もハンパないよ。世界を見てきた選手に教わりたくてね。元日本・中国代表選手の個人レッスンを受けてる。もちろん、用具にもタイマンはたいている。当然だよ。今はフランチスカのラケットに両面ザイアを貼ってるんだ。用具選びはいたってシンプル。常に最新のものを使う主義でね。スマホだって最新の機種を使っていれば、機能が足りなくて困ることはないだろう。もちろん、すべての機能を使いこなせるかどうかは別問題だけどねって、ばかにするんじゃないよ。チキショー。

バックに粒高を貼るのは妻への愛の証

結婚してから卓球にばっかお金を使うし、毎日ユニフォーム着てるから、最近ではもうファッションなんてどうでもよくなってきてね。あたいはヘアセットの仕事してるんだけど、試合中は前髪がうっとしいから、もう坊主頭でいいとさえ思ってる。対戦相手が前髪長くてうっとしそうだったら、ラケットをハサミに持ち替えて、ばっさり切ってやろうかと苛立っちまうんだ。職業病かな。だって、自分の中のおしゃれ番長が押切もえからアダムになっちまったからさ。あのド派手なアンドロのウエアに、それを上回る色柄の小物で子気味良くまとめられるのはアダムだけだろう。おしゃれに引き算は必要ないという新事実を教えてくれたのもアダムだし、あのよく曲がるロビングをプロの選手はこう返すのかってところも動画で参考にさせてもらってる。あたいの推しYouTuberはダントツでアダムだよ。

旦那はバック粒高だからさ、バック粒のYouTuberが好きみたい。動画見て研究して「嫁のために強くならないと」ってほざいてる。レディースは異質が多いから、あたいの練習のためにバックに粒を貼ってくれたんだって。漢の中の漢だろう。だからあたいも、旦那のためにもっともっと強くならないと。勝たないと。

特に来年の大阪マスターズは狙ってるんだ。今年の9月に開催された同大会では旦那にベンチに入ってもらったのに、2、3、7で惨敗して、号泣して、秒で家に帰ったんだよ。しかも最後は7-4でリードしてたのに、連続7失点でまくられるってどういう展開だよ。こんなみじめな終わり方はもうごめんなんだ。

夜10時に仕事から疲れて帰っても翌日のお弁当の準備をしてくれる旦那。優勝したら誰よりも喜んでくれる旦那のためにも、来年の大阪マスターズは絶対に初戦突破してやるからな。エントリー予定のレディースのやつら、ビビンじゃねーぞ。夜露死苦な!