卓球を迂回してライフスタイルの話題へ。レディース世代の卓球選手の過去・現在・未来がわかるインタビューコンテンツ「今月の卓球レディース」。6月のゲストは藤井優子さん。笑いのフリをスルーしないサービス精神溢れる人柄がうかがえました!
厳しい練習の息抜きはお笑い芸人とのふれあい
目の前で練乳イチゴバナナスムージーを飲む女子力の高いキュートな乙女。
本当に元卓球選手の藤井優子さん(32)なのでしょうか???
全日本学生卓球選手権大会優勝、全日本社会人卓球選手権大会準優勝と輝かしい戦績を持ち、コートの上で静かに闘志を燃やす印象とは全然違う。大阪のなんばで夜行バスから降りてくるOLたち、「有休とってミナミに遊びに来たヨ~」的な集団に混ざってもなんら違和感がない。
戦いの喧騒から離れると普通の女子に戻るのかなと思っていたら……
「お笑いが好きで、日本生命にいた頃は週二でなんばグランド花月に通っていました」とのこと。やはりこっち側の人だったのかと、お笑い好きの私は勝手に親近感を覚えました。
優子さんが好きな芸人は銀シャリ、和牛などの正統派漫才師。なかでも同郷・奈良出身のラフ次元がイチ推しなのだとか。
「選手時代は、お笑いのライブ観覧が生きがいでした。出待ちをしたり、一緒に写真を撮ったり。賞レースが楽しみで、決勝戦が近づいてくるとワクワクしていました」。
優子さんがお笑いに目覚めたのは四天王寺高校時代。日本テレビの人気お笑い番組「エンタの神様」にドハマリし、同級生と一緒にコンビを組むことまでも考えたという。ちょっぴり憧れたのは吉本所属「女と男」のワダちゃん。高校の先輩で、お姉さんの寛子さんと同じクラスだったのだとか。
「ハンドボールの選手から芸人になられてすごいと思います。わたしは友達と冗談で『コンビを組もうか』とか『芸人のマネージャーになろうか』と言ってただけなんで。だけど、ただただ人を笑わせたいという思いは持っていますね」。
芸人にはなれなくても、“人を笑わせる”というミッションをうちに秘める優子さん。愛媛銀行の実業団「ひめぎん卓球部」に在籍中は、愛媛県の仲間との飲み会でゆりやんレトリィバァのモノマネを披露するなど、持ち前の「ふられたらついやっちゃう」精神で場を盛り上げようとしたそうです。ところが……
「大竹監督がゆりやんの『昭和の日本の女優さんのしゃべり方』のネタが好きだったので、ノリで披露したのですが、周りの人はそのネタを知らなかったみたい。場が静かになりました……」。
ZANNEN。お笑い通ゆえに重箱の隅をつつき過ぎて、“人を笑わせる”というミッションがインコンプリートになった事例。私だったら静かにフェイドアウトしますが、優子さんはそのあとも監督に「二人で漫才しよう!」と誘われて二人で即興漫才を披露。「ふられたらついやっちゃう」のサービス精神で場を盛り上げることに成功したのだとか。嗚呼、この飲み会の参加者がうらやましい。
愛媛の卓球関係者を震撼させたブルゾンちえみの余興
ほかにも優子さんは、愛媛の卓球友達の披露宴でwithB(卓球仲間)を引き連れてブルゾンちえみの余興に挑戦しました。
「いつもよりメイクを濃くしたつもりなんですけど、顔が薄いので本人には近づけませんでした」。
とはいえ、黒のタイトスカートに白いシャツでブルゾンちえみに寄せる努力をした優子さん。卓球関係者が100人ほど集まる場で新郎新婦のネタを披露しました。当時の旬ネタ×凝った演出。会場が盛り上がらないはずがありません。「周りの反応も良かったのでは?」と予定調和ながら質問をなげると。。。
「周りは『えっ、あれは藤井さんなの?』って驚いてました。私のイメージと違ったんでしょうね」。
あれれ……出席者のザワつきが大きかった様子。しかも前説扱いだったというからもったいない。メインの方はどんな大ネタを引っ提げて登場したのか気になるところですが……。
前説やバックダンサーなど「披露宴の余興は結構やってますね」と語る優子さん。なんというサービス精神。私も3兄弟なのですが、この“誰かを笑わせたい”精神は末っ子の宿命でしょうか?
効率的な仕事(卓球)ぶり、充実した私生活(お笑い)。
卓球ウーマンの優子さん、これからも周りに笑顔をどんどん広げていってください。
だって、地球上に卓球関係者は何人いると思ってるんですか。
35億。
藤井 優子
両親が経営する小瀬クラブで兄弟とともに幼い頃から腕を磨き卓球選手に。近畿大学在学中の2010年に全日本学生卓球選手権大会で優勝。翌年、日本生命に入社後は全日本社会人卓球選手権大会で準優勝。2018年に引退後は小瀬クラブ、愛媛銀行、近畿大学のコーチ、ミズノアドバイザリースタッフ、関西大学の講師など多岐に渡って活躍中。