2023年1月2日に大阪・大国町の卓球場「GANETTC」で「テーブルテニスマニアックフェス」が開催されました。卓球のマニアックなメーカーが集う超ニッチな祭典。今回はその中から5社の事業をご紹介します。

私は卓球のレディース層をターゲットにしたWEBメディアを運営しております。起業家の交流会に参加すると、8割の方に「ニッチなことしてますね……」と失笑され相手にしてもらえません。ゆえに起業して1年半で同類項(ニッチな事業者)を発見する嗅覚が恐ろしく発達しました。

大阪のミナミにオープンした卓球場&WRMショップの「GANETTC」で1月2日に開催された「テーブルテニスマニアックフェス」。新進気鋭の卓球メーカーさん9社が集う限定イベントに引き寄せられたのも、ほのかに甘美なマニア臭に誘われてのこと。

そして出店の準備中にお邪魔して、目が合った5人の方にお話を伺うと「類友だねっ!」と肩を叩きたくなるほど、みなさんの起業動機と熱量は私と≒。一方、事業内容は「ニッチなことしてますね……」と失笑したくなるほど各々個性があふれていましたので一部ご紹介します。

用具ジプシーの到達地点を示す第〇のラケット

ここ1年くらいシェーク(佐藤健)、中ペン(綾野剛)、日ペン(大沢たかお)の3股をかけております。「勝てないと用具のせいにする」という我がチャームポイントがあだとなり、パートナーを決めきれないのです。そんな時にSNSで目にした球体グリップの「ウイングスパン」。手を出したら火傷しそうな新型ラケット(菅田将暉)は冒険心のないおばちゃんにはつき合えないとレッテルを貼っていましたが、いざ使わせてもらうと操作性抜群。小回りが利いて台上プレーがやりやすいのです。ツッツキの世界戦になりがちなレディースの試合にもってこい。新たな恋の予感に酔いしれていたら、事業内容を聞きそびれました。

メーカー:ウイングスパン合同会社
商品:カーブラインシリーズ
価格:19,800円(税込)~
URL:https://www.wingspanjp.com/

自分が「カワイイ」と思える練習着をカタチに

卓球あるあるネタをしたためたおふざけTや似顔絵を前面に押し出したゆるカワTなど、ちょっぴり抜け感のあるクリエイティブなデザインTシャツが人気のブランド「MYTEM」。代表の朝田茉依さんは、同志社大学卓球部出身で現在はエンタメ系企業のOL。副業OKという自由な社風もあり、友人のデザイナーと一緒に卓球の練習着やポーチなどの製作・販売を始めました。「学生時代は自分自身で自由にウエアを選ぶ経験が少なかったです。社会人になった今は、自分が着たいと思える練習着を作って着ています」。自分好みのオリジナルウエアをまとって卓球ができるなんてうらやましい。茉依アイテムをマイアイテムにしたい人はメールでオーダーを!

メーカー名:MYTEM
商品:練習Tシャツ
価格:4,500円(税込)
メール:mai.tabletennis.abc@gmail.com
URL:https://mytem.official.ec

レディースが一段と強くなる禁断の回転系粒高ラバー

水と油が混じり合う“乳化”という技術がなかったら化粧品はここまで発展しなかった。人生100年時代。中年からの乾燥ジワの進行を食い止めてくれる新時代のクリームや乳液があれば老い先も安心です。卓球もしかり。粒高でとめられるのにドライブできる。この相反する技術が両立したラバー「Fickle」があれば老い先の卓球も楽しみ。ゴム開発のエンジニアの方がたまたま粒高プレーヤーで、たまたま引っ掛かりのある粒高ラバーが欲しくなって、たまたま作ったところ同業者と飲み屋で盛り上がって販売にいたって、よかったよかった。プッシュオーバーのため息がこの世から消えるでしょう。

メーカー名:Japtec
商品:Fickle
価格:6,150円(税込)
URL: http://kaei.net/

男の浪漫を追求したハンドメイドラケットを制作

大阪で卓球場と卓球ショップを運営するスマイル株式会社。脱サラで卓球人の夢を叶えた代表の藤井さんは、さらなる男のロマンを求め、広さ2畳ほどの部屋に5年間こもって自分好みのラケットを作り上げました。「攻撃用の飛ぶラケットでカットマン用の面の大きなラケットを作りたかったんです」。ショップはほったらかし、卓球場はコーチに任せっきり。誰にも学ぶこともなく、木工の知識もなく、試行錯誤を重ねて販売できるラケットを完成。試作したラケットは100本にのぼるそうです。話を伺った後に、ラケットを眺めると「ESPERANZA(希望)」の光が輝いていました。

メーカー名:スマイル株式会社
商品:「ESPERANZA WOOD」
価格:13,200円(税込)
URL: https://ttshopsmile.jimdofree.com/

最後の一本まで「NEVAGIVA」その想いを胸に!

前から気になっていたんですよ。大阪から神戸方面へ進めば進むほど、このTシャツを着ている人に遭遇するもんで。卓球人に必要なメンタル「NEVAGIVA」の文字を胸にプリントしたオリジナルTシャツを販売する有限会社プラウドの玉田さんは、神戸の卓球専門店出身。自身も不撓不屈の精神で新たな事業を推進しています。「卓球は練習を続けた人が勝てるスポーツ。あきらめない人が強くなれる」。亀のロゴもネバギバマインドの象徴。足腰も弱ったし、体力も衰えたし、ボールもかすんで見えるし……そんな泣き言の多い中年世代に励みと元気を与えてくれるTシャツ。コレは買い!

メーカー名:有限会社プラウド
商品:NevaGiva Tシャツ
価格:3,850円(税込)
URL: https://www.nevagiva.jp/