こちらは『卓球レディース』編集長の西村が、NOルールで綴る馬鹿馬鹿しい卓球日記です。2023年末に京都カグヤライズの講習会を取材。会場は偶然にも私の母校でした。

京都カグヤライズの活動に便乗させてもらい母校へ

新年あけましておめでとうございます。

旧年中、卓球レディースにおつきあいいただいた皆様、誠にありがとうございます。
「卓球女性向けのWEBメディアを立ち上げよう」。その想いから起業塾の門を叩いてちょうど3年になります。台の上にも3年の期間はオーバー。今年は大阪~全国へ。さらにぶっ飛んでまいります。引き続きよろしくお願いいたします。

さて、昨年末にちょっと嬉しいことがありました。こちらのブログでもさんざんこすらせてもらった我が母校の卓球部。そこへなんと京都カグヤライズが講習会に来てくれたのです。池袋監督からご案内をいただいた時は、「なんで京都市の北端にある田舎の弱小卓球部に???」と驚きを隠せませんでしたが、母校を尋ねるチャンスはおそらくこれが最初で最後。郷愁に浸りながら取材に向かいました。

おけいはんの終点、出町柳駅から叡山電鉄に乗り換えてさらに市の奥へ。電車に乗るとき、降りるときの気温差に体を震わせて云十年ぶりに母校の門にたどり着きました。そして、私を輩出した公立高校とは思えない看板を横目で見ながら学校の中へ。カグヤライズの皆さんと合流し、先生方に迎えられました。

はじめに通された会議室では、先生やカグヤライズの方々としばし歓談。部活動の話になると先生が「天文地学部は日本地理学会が主催する大会で会長賞を受賞しましたし、陸上部はインターハイで優勝した生徒がいます……」とドヤッな成績を淡々と語り始めました。母校のイメージとあまりにもかけ離れた天上界の話だったので、思わず……

「それは、本当にうちの学校の話ですか???」とツッコミを入れました。

先生方は「そうですよ」と苦笑い。今は名門の私大からも推薦が来る高校にレベルアップしているのだとか。制服のスカートが短すぎて、誰もネクタイしなくて、学校のスリッパで外出しての我が校のゆる~い風情は激動の90年代とともに姿を消したのかな。なんだか寂しい気もしますが、校門の前に掲げられた「祝~出場」の看板は、横目ではなく真正面から拝んでなんぼの我が校のリアルだったとは。文武両道、立派です。

後輩たちの前で卓球レディースのブログネタについて語る

その後は体育館へ移動。全部活動の集会に参加しました。生徒たちが見守るなか、舞台の前に置かれた卓球台で田村美佳選手がラリーやサービスを披露。続いて池袋監督が同じ京都の公立高校出身の立場から熱いメッセージを語ってくれました。「ええ、話や~」と感嘆の相槌を打っていると先生が突然「西村さんも生徒たちに何かしゃべってください」と振ってきました。

えっ、急に!!! と動揺しつつ、私は次のブログネタにとっていた高校時代のエピソードを全生徒の前で語りました。

「高校時代、卓球の試合会場へ向かう途中、ラケットを学校の更衣室に忘れたことに気づいて、取りに行ったんだけど、朝が早くて学校があいてなかったから、グラウンド側の柵の穴から侵入して~、更衣室も開いてなかったから窓から侵入して~」。

このあたりで先生方の青ざめた表情に気づけばよかったですね。私は云十年間、心にしまっていた懺悔を後輩たちに打ち明けスッキリしたのですが、集会のあと先生に「西村さんの処罰はあとで考えます」と言われ我に返りました。

懐かしの格技場でぴょんぴょんジャンプ

その後、格技場へ移動し、いよいよ卓球部の講習会スタート。云十年前と全然変わらない懐かしい光景に、佳純ちゃんのようなぴょんぴょんジャンプをしたくなりました。フロアは剣道部と半分ずつシェア。それも当時と同じ。角って打ち上げたボールが、この積み上げられた剣道部の畳の隙間に入るとやっかいだったなーとか、卓球台置き場の前で後輩に「1年生が台を出さないといけないルールはあるんですか?」と詰め寄られたなとか、いろんな思い出がよみがえります。

そして、カグヤライズ主導の多球練習が始まると……。あれ? 弱小校のはずなのに、うまい子がちらほらいるじゃない? たずねると一昨年は近畿大会へも出場しているのだとか。

「これは、本当にうちの学校の話ですか???」

とツッコミを入れたくなりましたが、それならプロチームに指導にきてもらう価値もある。私が高校時代はワルドナーやら、ワルドナーなど、スウェーデンが強くて、IKEAよりもひと足早く私の心に北欧の風を吹かせてくれた。そんな憧れの選手がこの京都の片隅にある極寒の格技場に講習会に来てくれたら、どんなに嬉しかっただろう。プロの選手に卓球を学べるなんて今の高校生がほんとにうらやましい。

私の時代は部費がほとんどなくて買えなかったトレ球もたっぷりあるんだから、この日に習った多球練習を続けて、また近畿大会に出てほしいなぁ。

その時はぜひ取材に行かせてね(^_-)-☆