こちらは『卓球レディース』編集長の西村が、NOルールで綴る馬鹿馬鹿しい卓球日記です。2月16日から始まった世界卓球。明日、女子はいよいよ決勝ですが、その前にここまでの私の感想を。

祝! 卓球男女日本代表チーム、パリオリンピック出場決定おめでとうございます。今回の釜山大会はのっけから波乱尽くめで、やはり国際大会の大舞台は何が起こるかわからないとハラハラしておりました。

なかでも、一番ズッコケたのは初戦の中国対インドでしょうか。世界ランキング1位であり、日本人選手があの手この手で挑んでも崩せない中国の孫頴莎が、同155位のインドのムケルジに1-3で敗北。王芸迪もインドのアクラに0₋3だとか。

ムケルジはバックアンチでアクラはバック粒という異質シェークの使い手。「打法が特殊過ぎる」「普通じゃないから対応できない」と中国ファンからは選手に激励の声があがったそうですが。私はこのコメントに違和感を覚えました。

なぜなら……「レディース畑では当たり前の戦型じゃないですか?」

我々の界隈では逆にシェーク裏裏の人を探す方が難しい。卓球初心者が買ったスターターラケットでしか、そんな優等生は見かけませんよ。ラケット交換で一瞬、裏裏か? と思ったらバックアンチなんてよくあることで。さらっと見せて立ち去る人の肩を捕まえて、ブツを取り上げて判明したことも。

「なんて下品な?」と思われた方は、ラケットを白日の下に晒さなかった人に対してですか? それとも、相手の肩に指を食い込ませた私のことですか? いやどちらも下品ですよ。ええ。でも、みんな勝ちたくないんですか? 勝ちたいですよね。だから表から変化表、粒高へと用具が変遷するのです。ポンカンがデコポンを生んだように、つぶつぶは旨味があってナンボですから。

私のレディース仲間も会うたびにバックが進化します。腕ではなく粒の形状の話です。そのたびに対応が難しくなるのですが、私のSNSのフォロワーさんも「トップ選手でも異質に苦労するんですね。いつも苦労してます…」とつぶやかれていました。日本対イランで、平野美宇選手がバック粒高のアシュタリに苦戦している姿を見ると、トップ選手でも慣れるのに時間がかかるのだなと粒の実力を評価せざるを得ません。

異質ラバーを敵に回すのではなく、仲間にしようじゃないかと、私も以前、変化表を裏面に貼ったことがあります。正確に言うと、何度も貼ったことがあります。私は裏の片面ペン。ラケットは古き良き日中号スーパーで、裏面がラバーを貼る仕様になっていません。裏面のコルクの境界線が直線ではなく、弧線を描いているからです。

当時のButterflyのラケット製作者も、「まさかここにラバーを貼るヤツはいないだろう」と、板に漆黒の塗料を施し、黒蝶のように美しく艶やかなそれを世に放った。なのに、私はその上に異質ちゃんを貼ってははがし、貼ってははがし、つるっとしていた板の表面は青春時代の私のニキビ肌のようにボロボロに。

今は、いったん落ち着いて「正統派でいこう」と自分に確認して裏の片面ペンを貫いていたのですが、美宇ちゃんとアシュタリの試合を観たあと、無意識に異質ラバーをネットショップで物色している自分がいる!!!

今度、私と対戦する方はラケット交換時にツッコミを入れてください。

やっぱり貼るのかいっ!!!