卓球の試合会場でひと際目を引くバナナ。どんなに派手なウエアを着ても、黄色いアンチキショーの存在感とは比べものになりません。先手必勝で優位に立つチキータくん、ピットインした選手に加油するバナナさん、優勝賞品に名乗りを上げる「東京バナナ」さま。この八面六臂の活躍たるや! 試合当日の心技体はバナナに支配されているといっても過言ではありません。そんな卓球界でひっぱりだこのバナナ。日本バナナ輸入組合さんに人気の秘密を教えてもらいました!

優れた栄養価で卓球選手を支えるバナナのチカラ

バナナが卓球におすすめのフルーツと言われるゆえんは糖質(炭水化物)の多様さにあります。消化されやすい単糖類、徐々に消化される小糖類、消化されにくい多糖類がバナナ1本に凝縮。試合前に食べると、消化の時間差でエネルギーが次々と体に補給されます。試合開始からエンジンがかかり、試合の終わりまで切れない優れた即効性と持続性。運動時の補給食品の第一位(日本バナナ組合調べ)に選ばれる理由がここにあります。
さらに、筋肉のエネルギー源となる唯一の必須アミノ酸BCAAも豊富。激しい運動による筋肉の損傷を防ぐ効果が期待できます。体のケアが必要なレディース世代におすすめの栄養素です。また、筋肉の機能を調整しけいれんを防ぐカリウムもたっぷりと含まれています。筋肉パフォーマンスの低下を防ぐので、激しい運動によるケガの予防策にもなりますね。カリウムにはほかにも血圧降下作用があると言われています。ミスが続くとついイライラ。そんな方はバナナを食べて心を落ち着かせるといいかもしれませんよ。

バナナの栄養を余すところなく享受するベストな方法

色(熟度)で選ぶ

両軸が緑色の若いバナナよりも、茶色い斑点のある熟したバナナがおすすめです。バナナは熟すほど、でんぷんが糖化します。でんぷんよりも糖類の方が消化吸収されやすい形になるので、茶色のバナナの方が運動で消費した筋肉エネルギーの素早い回復に役立ちます。

持ち運び方の正解

バナナは房の方を下にすると、底の部分が傷んでしまいます。山型に伏せて、通気性のよいバッグに入れて持ち運びましょう。暑い時期はバナナを凍らせても◎ 一本ずつ皮をむいて、ラップで包み冷凍します。冷凍庫から出して2、3時間後が食べごろ。冷たくて口当たりが良く、熱を帯びた体が鎮まります。

食べるタイミング

試合中のエネルギー切れを防ぐには、試合開始30分~1時間前に食べておきましょう。胃の不快感が気にならない方は、エネルギーの回復をスムーズに行うことを目的としたゲーム間の糖質補給も◎

スタミナがUPする食べ合わせレシピ

バナナと一緒にレモンやオレンジを食べると、クエン酸が速やかな疲労回復とエネルギー補給をサポートしてくれます。また、牛乳などのたんぱく質と一緒にとると、体内のグリコーゲンの蓄積が促されます。スタミナアップを期待して、美味しい補給食を作りましょう!

バナナのはちみつ漬け

【材料】
バナナ2本、レモン汁小さじ1、はちみつ適量

【作り方】
1)バナナを輪切りにします。
2)1)にレモン汁をまぶします。
3)容器にバナナを並べ、全体にまんべんなくはちみつをかけます。
4)一晩、冷蔵庫で寝かせれば完成。

バナナのスムージー

【材料】 
バナナ1本
牛乳(もしくは豆乳、ヨーグルト)100mlレモン汁小さじ1

【作り方】
適当な大きさに切ったバナナと牛乳、レモン汁をミキサーに入れて撹拌するだけ。牛乳の代わりに豆乳やヨーグルトを使ってもOKです。

バナナのきな粉がけ

【材料】
バナナ1本
きなこ 大さじ1

【作り方】
1)バナナを一口大に切ります。
2)きな粉をかけて混ぜ合わせれば完成です。

練習にバナナを持っていきました。ラリーの合間に食べると、ちょうどいい腹持ち感。求めていた甘さに出会えて頭も冴え渡る感じです。No banana, no gameの方がいらっしゃるのも納得。手軽で食べやすいという点も人気の秘密なんでしょうね。でも私はひと手間を加えて、バナナのはちみつ漬けを試合に持っていこうと思います。プロの主婦は、ボールをスライスするよりも、果物をスライスするほうが得意ですから!

監修 日本バナナ輸入組合

1965(昭和40)年設立。バナナの輸入調査統計に関わる活動・バナナの普及に関する広報活動などを行っている。
URL:https://www.banana.co.jp